本塁打アシストの場所で本塁打強奪される…左翼の悲劇に米野手が茫然自失
タイガースのマートックが完璧ホームランを強奪される
メジャーで、まさかの因縁劇が生まれた。主人公はタイガースの外野手ミッキー・マートック。3日(日本時間4日)の本拠地インディアンス戦で、相手ラミレスの打球を左翼フェンス向こう側へ“ダンクシュート”してしまい、一躍その名を轟かせてしまった。そのマートックが、その翌日、まったく同じ場所で、ホームランを強奪される悲劇に遭った。
思いがけない本塁打アシストをした翌日、4日(同5日)に行われた本拠地ロイヤルズ戦。5点を追う4回、2死一、三塁で打席に立ったマートックは、カウント2-1から4球目スライダーを力強く振り抜いた。打球は大きな弧を描きながら左翼スタンドを目指して飛んでいく。誰もがホームランと疑わない当たりだった。
が、ここからマートックの悲劇が始まる。左翼を守るロイヤルズのゴードンは素速くフェンス際まで下がると、打球をしっかり見つめながら、右手でフェンスを掴んでジャンプ。左腕をフェンス向こうまで伸ばしながら、見事ホームランを強奪キャッチした。
2点差まで詰め寄る3ランを打ったと疑わなかったマートックは、クールな表情で一塁ベースへ向かって走り、ビスケル一塁コーチとハイタッチ。だが、その瞬間に沸き上がった球場を揺るがすような歓声に促され、左翼を見ると、そこにはグラブに打球を収めたゴードンの姿があった。前日自分が珍プレーを犯してしまった、まさにその場所で、完璧なホームランを強奪されるなんて…。マートックの表情は真っ白で、文字通り茫然自失。開いた口がふさがらない状態だった。
MLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」によれば、試合後にゴードンは「打撃練習の時に、実はいつも少し練習しているんだ。フェンスが低いから、フェンスを掴んでジャンプ出来るからね。だから、練習してたことなんだ」と明かしたという。
練習をしていたこととは言え、それがマートックの慰めにはならない。ホームランを献上した場所で、ホームランが強奪される悲劇。左翼を主戦場とするマートックが本拠地左翼を鬼門としないことだけを祈りたい。