楽天、8月10日以来の仙台での勝利 バッテリーで勝ち取った大きな1勝

楽天・嶋(左)と則本(右)【写真:荒川祐史】
楽天・嶋(左)と則本(右)【写真:荒川祐史】

則本が7回1失点、嶋が決勝打「則本泣いてないかなと思って」「泣きそうでした」

 本拠地でCSを――。楽天が10日、オリックスに競り勝ち、連敗を2で止めた。8月10日以来となる、Koboパーク宮城での白星。則本、嶋のバッテリーが勝負を決めた。

 エースに笑顔が戻った。前回登板の3日、福岡ソフトバンク戦では無失点投球を続けるも、9回のマウンドでサヨナラ打を浴び、ショックのあまり号泣。当時9連敗中だったチームの悪い流れを止めるべく、気迫の投球を続けたが、最後に力尽きた。

 だが、そこでしっかりと気持ちを切り替え、この日の登板に合わせてきた。「皆さん見ていたとおり、情けない投球」と5四球の内容を猛省したが、7回1失点と先発の役割をしっかり果たし、勝ちを呼び込んだ。8月12日のオリックス戦以来の12勝目。「お待たせしました。とりあえず勝てて良かったです」。お立ち台で大歓声を受けた。

 そんな右腕に勝利を届けたのは、女房役。同点の5回2死三塁、嶋が執念の中前適時打。一塁ベース上で何度も手をたたいて喜んだ。「いい投球がずっと続いていたけど、なかなか勝てなくて。しんどかったと思うけど、チームのために精いっぱい投げている姿が、この勝ちにつながったと思います」と、右腕へのアシストに納得の表情。エースとともにお立ち台に上がり、打った瞬間を尋ねられると「則本泣いてないかなと思って…」と、前回の涙のシーンをかけて爆笑を誘った。これには則本も「泣きそうでした」と息の合ったコメント。本拠地10連敗中という負の連鎖も止め、杜の都のファンとともに喜びを分かち合った。

 波に乗れない日々が続く。5日の北海道日本ハム戦で10連敗を止め、続く7日こそ勝利したが、勝利が続かない。このオリックスとの3連戦も負け越し。首位を明け渡した福岡ソフトバンクは勢いが落ちることなく独走状態となり、この日も勝利で9連勝。優勝マジックは5と、2年ぶりのリーグ制覇へ秒読み段階となった。

 だが、まだモチベーションを落としてはいけない。大型連敗の影響で現在は3位だが、2位の埼玉西武とは1ゲーム差。3位で終われば本拠地でのクライマックスシリーズ(CS)開催の権利を失ってしまうだけに、ここからどれほど意地を見せられるかだろう。

 則本は選手を代表して誓った。「残り少ないけど、選手は魂込めて必死でプレーします」。残り23試合。苦しかった時期を越え、もう一度勢いを取り戻したい。

【動画】楽天・則本と嶋のヒーローインタビュー

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