藤浪よ、和製ランディ・ジョンソンを目指せ… 阪神OB藪恵壹氏が送る大胆提言
5回まで無失点の粘投も6回に痛恨の逆転満塁ホームランを浴びた藤浪
■広島 4-2 阪神(23日・甲子園)
阪神は23日、甲子園での広島戦で2-4で敗れた。この日、357日ぶりに1軍のマウンドに上がった先発・藤浪晋太郎投手は、初回に大山の6号2ランで援護を受けながらも、6回にピレラに満塁弾を献上。2018年9月29日の中日戦以来663日ぶりとなる白星を逃した。
現役時代は阪神のエースとして活躍し、メジャーでもプレーした野球解説者の藪恵壹氏は、この日の藤浪のピッチングについて「そんなに悲観するようなことではなかったと思います」と“評価”。同時に、ややサイドスロー気味に投げる高身長の藤浪に、メジャー通算303勝のサイ・ヤング賞投手のフォームを参考するようにアドバイスを送った。
今年初めて1軍のマウンドに上がった藤浪は、5回まで広島打線を2安打無失点に抑える好投。だが、6回にピレラの満塁弾で逆転を許し、7回途中を4安打5奪三振6四球で4失点(自責4)で黒星を喫した。藪氏は、この内容について「そんなに悲観するようなことではなかった」と振り返る。
「皆さん、どうしても期待が大きくなると思いますが、そこは去年1勝もしていないピッチャーです。今年に入ってからも、新型コロナウイルスに感染したり、遅刻で2軍に降格させられたり、いろいろ出遅れた。ただ、本人は一生懸命やる子なんで、ファームで結果を出して上がってきたわけです。今日は満塁ホームランの場面だけ。あそこは2アウトから粘りきれなくてもったいなかったし、細かく見れば、まだ右バッターに対するインコースのストライクが少ないとかありますが、次に繋がる内容でした」
今年の春キャンプでは、臨時コーチとして参加した元中日の山本昌氏に師事。ここ数年、期待されながらも結果を残せないもどかしさを払拭すべく努力を重ねた。だが、この日の投球を見た藪氏は「フォームに関しては、昨年からあまり変わっていないですね」と指摘する。
「今年のキャンプで昌さんが教えてくれて、本人も努力したので、一時のボールがどこにいくのか分からないという状態から脱しています。ただ、体は横振りのままだし、ボールをリリースする時に手首が寝たままなのは変わらない。あれだけ身長が高いのに投げるボールに角度がないのは、投げはじめで自分の体が沈んでいるから。それは細かいメカニックの話をすると、脇腹が上手く使えていないからです。脇腹が伸びたり縮んだりするようになればボールに角度が生まれるけれど、年齢がいくと胸郭や肩甲骨の動きが鈍くなるので、徐々に難しくなりますよね」