開幕2軍スタートも活躍を狙う1軍の舞台 昨季這い上がったパの33選手は?

ロッテ・岩下大輝投手、ソフトバンク・周東佑京、西武・平良海馬(左から)【画像:パーソル パ・リーグTV】
ロッテ・岩下大輝投手、ソフトバンク・周東佑京、西武・平良海馬(左から)【画像:パーソル パ・リーグTV】

鷹・周東らがブレーク…開幕1軍入りは一つの目標で終着点ではない

 2020年のペナントレースが開幕し、多くの選手たちが各地で溌溂としたプレーを見せている。「開幕1軍」の切符は多くの選手たちにとって一つの目標となるものだが、もちろんそこが終着点ではない。過去には開幕時の1軍メンバー入りこそ逃したものの、その後に1軍昇格を果たし、主力として一軍の舞台で確かな存在感を放った選手たちも、枚挙に暇がないほど存在している。

 シーズンの短縮に伴い過密スケジュールが組まれている今季は、選手にかかる負担も例年以上のものとなる。そのため、今季の開幕時点では残念ながら1軍入りを逃した選手の中にも、シーズンが深まるにつれて一軍の舞台で出場機会を得て、出色の活躍を見せるケースが増える可能性は大いにあるだろう。

 今回は、2019年のパ・リーグ各球団において、開幕時点の1軍登録メンバーに入っていなかった選手および、開幕2カード目までに先発登板がなかった(開幕ローテーション入りを逃した)投手たちの中で、同年に1軍の戦力としてチームに貢献した選手たちを紹介。昨季の例を振り返っていくとともに、今季の開幕1軍入りを逃した選手たちの、後の躍動にも期待を寄せたい。

昨季飛躍した日本ハムの主な選手【画像:パーソル パ・リーグTV】
昨季飛躍した日本ハムの主な選手【画像:パーソル パ・リーグTV】

〇日本ハム

 左の中継ぎとして自己最多の61試合に登板した公文克彦投手、ショートスターターとリリーフの双方でフル回転した堀瑞輝投手、リリーフの一角として安定した投球を見せた井口和朋投手と、いずれも開幕の時点では1軍入りを逃しながらも、シーズンが深まるにつれてブルペンを支える存在に。オープナー戦術を積極的に導入するチームにとっても、リリーフとして奮闘した彼らの存在は大きかった。

 野手では2018年の7月から二塁手としてスタメン出場を続けていた渡邉諒内野手が開幕1軍を逃し、正捕手の有力候補と目されていた清水優心捕手も、椎間板ヘルニアを手術した影響で開幕には出遅れていた。しかし、1軍昇格後は両選手ともに持ち味を発揮し、チームの主力へと成長。渡邉選手は自身初の規定打席到達を果たして自己最高の成績を残し、清水選手も自己最多の試合数と、キャリアハイと言える打撃成績を記録した。

昨季飛躍した楽天の主な選手【画像:パーソル パ・リーグTV】
昨季飛躍した楽天の主な選手【画像:パーソル パ・リーグTV】

〇楽天

 右ひじのクリーニング手術を行った影響でシーズン初登板が7月9日までずれ込んだエースの則本昂大投手をはじめ、外国人枠の関係もあって開幕は2軍スタートとなったブセニッツ投手、前2シーズンと同様にベテランの味を見せて安定した投球を披露した久保裕也投手といった、実力十分の投手たちがリストに名を連ねた。シーズン途中から戦列に加わったこの3投手の奮闘は、チームのAクラス入りにもつながっている。

 野手ではシーズン後半に先発捕手の座を争った太田光捕手と堀内謙伍捕手、シーズン途中から勝負強い打撃とユーティリティ性を生かして活躍を見せた渡邊佳明選手も、開幕時は2軍スタートだった。若手の3選手がシーズン終盤に1軍の舞台でそれぞれの持ち味を発揮し、Aクラス入りにも貢献したことは、チームの今後の見通しを考えるうえでも、明るい材料の一つと言える。

昨季飛躍した西武の主な選手【画像:パーソル パ・リーグTV】
昨季飛躍した西武の主な選手【画像:パーソル パ・リーグTV】

〇西武

 シーズン終盤にセットアッパーとして活躍を見せた平良海馬投手をはじめ、ルーキーイヤーから先発として7勝を挙げる活躍を見せた松本航投手、ロングリリーフもいとわない投球でブルペンの貴重な駒となった佐野泰雄投手と、3投手ともに開幕1軍入りを逃しながらも、シーズン途中に昇格して苦しい台所事情を支え、それぞれの持ち味を生かしてリーグ優勝にも貢献を果たしている。

 一方、野手では規定打席到達者を8名輩出するなど、レギュラーの顔ぶれをほぼ固定して戦っていたこともあり、サブとして堅実な働きを見せた岡田雅利捕手や佐藤龍世内野手も含め、リーグ優勝に貢献した主力選手たちはいずれも開幕1軍入りを果たした選手という結果に。2019年の西武はまさに盤石の野手陣を抱えていたことが、こういった点からもうかがえる。

オリックスでは中川が交流戦首位打者、ホークスは韋駄天の周東が存在感を発揮

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