甲子園史上初の申告敬遠 プロ注目右腕、白樺学園・片山楽生は「投げる図書館」

白樺学園・片山楽生【写真:石川加奈子】
白樺学園・片山楽生【写真:石川加奈子】

2死二塁で迎えた第1打席では甲子園史上初となる申告敬遠をされた

 新型コロナウイルスの影響で中止となった選抜出場予定32校による「2020年甲子園高校野球交流試合」は17日、甲子園球場で大会最終日を迎え、第3試合では白樺学園が3-8で山梨学園に敗れた。白樺学園のプロ注目右腕、片山楽生投手は「4番・投手」で先発出場。投げては5回を4安打2失点4奪三振、打っては2打数1安打と投打でチームを牽引した。

 初回、片山が立ち上がりを3者凡退に抑えると、その裏に3番宮浦柚基内野手が左翼線二塁打を放ち、2死二塁のチャンスで打席が回る。ここで山梨学院は甲子園史上初となる申告敬遠。2死一、二塁で続く5番二ツ森学内野手が三遊間にポテンヒットを放ち、1点を先制する。片山は2回、4回に失点し逆転を許したものの、5回には1番川波瑛平外野手のソロで同点に。6回からは2番手岩田拳弥投手にマウンドを託したが、その岩田がつかまりリードを許した。

 敗れはしたものの、ネット裏から熱視線を送られた北海道ナンバー1右腕だが、その素顔は無類の読書家だ。最終回の2死から登板した奥村柊斗投手は、寮で相部屋の片山について「とにかく読書量がすごい。部屋には本棚3つぶん、100冊以上の野球の本があって、毎日決まった時間に読んでます。その他に寮には共有スペースの書斎があるんですが、そこの蔵書もほとんど片山の私物。外出が認められている毎週日曜には決まって本屋に行って、その週に読む本を買い込んでます」と驚きのエピソードを明かす。

 膨大な量の蔵書はいわゆる「積読」ではなく、どれもが1度は読破されたもの。本の内容は野球関連のものがほとんどで、野村克也氏や古田敦也氏の著書、メジャーリーグの専門書からメンタルトレーニングに関するものまで様々だ。この日も試合後には取材で訪れていた古田氏に憧れの視線を送った。さらには「寝言がすごくて、決まって夜の12時過ぎに叫ぶんです。寝言というか、誰かと話してるような感じ。寮でも遠征先でも必ずです。夢の中でも野球のことを考えてるのかも」と奥村。野球にかける並々ならぬ努力の跡が感じられる。

「今日は泣いても笑っても最後。自分のできることをすべて出し切った。2失点なので満足のいくものではなかったが、自分らしいピッチングができました」と片山。「投げる図書館」とも呼ばれる本の虫は、プロの舞台へ進んでもますますの研鑽を積んでいく。

(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)

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