燕・山崎のダイビングキャッチに元巨人中堅手が絶賛 「ものすごいいいスタート」
元巨人の“青い稲妻”こと松本匡史氏が解説、スタンドから大歓声
■巨人 8-4 ヤクルト(25日・神宮)
ヤクルトのプロ5年目・山崎晃太朗外野手が、敗戦の中でキラリと光るスーパーキャッチを披露した。25日の本拠地での巨人戦、2-2の同点で迎えた5回2死満塁のピンチ。抜けていれば走者一掃のタイムリーとなっていた中島の打球を好捕。この好プレーを「青い稲妻」のニックネームを持ち、俊足センターとして巨人で活躍した野球評論家の松本匡史氏は、1歩目のスタートと打球に対する判断の良さをその要因に挙げた。
バレンティンが抜けた後、外野手の定位置を奪った27歳が、守備で存在感を見せた。センターのやや左へと飛んでいった中島の飛球に対し、山崎は打球を見ながら、一直線で迷わず落下点に飛び込んだ。右手でグラブを差し出し、ボールをキャッチすると、勢い余ってそのままダイブ。ピンチを脱すると、スタンドから大歓声を背中に浴びた。松本氏は解説する。
「あれは1歩目のスタートがものすごく良くないと絶対にできないプレーです。走っている中で『捕れる』という感覚になって、初めてあのプレーができる。捕れないと思ったら飛び込めない」
外野手の中には、捕れないボールにも飛び込んでしまう選手もいるが、山崎は確信のある飛び方をしていたと松本氏は見る。また山崎は左投げで右手にグラブをはめているため、左翼方向の打球は逆シングルではなく、そのままダイビングしてキャッチできたいう背景もある。
打球の落下点を予測し、最短距離で落下点にたどり着けたからこそ生まれたプレーだった。現役時代、同じような好プレーを何度も披露している松本氏は「あの打球は中島が肘をたたんでセンター方向におっつけて打ち返していて、引っ張りのバッティングはしていない。だから打球はちょっと詰まり気味になり、レフト方向には切れていかない。打球に対する判断も良かった」と絶賛した。
初めて定位置をつかんだ今季はここまで、打率も2割9分。チームでは村上、青木、エスコバーに次ぐ4位。8月に入り、打率は下降気味だが、この日も1安打。松本氏は「コンパクトにバットが出るし、広角に打てる。自分のバッティングをよく知っている。多少疲れが出てくる中で、振りが鈍くなる時もあるだろうし、相手がタイミングを変えてくる中で対応していかないといけないが、粘りもあるし、まだまだ伸びていくと思う」と太鼓判を押した。
そんな今季売り出し中の山崎。試合は巨人のエース菅野の前に追加点が奪えず、黒星を喫したが、敗戦の中でもまばゆい光を放った好プレーだった。
(Full-Count編集部)