「地域をベースに新しい価値を創造」四国IL・坂口事務局長に聞くリーグの未来

四国IL・坂口事務局長(中央)【写真:広尾晃】
四国IL・坂口事務局長(中央)【写真:広尾晃】

四国アイランドリーグplusは地域発の新たな事業を発信し続ける 

 今年の独立リーグは、四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスが、ルートインBCリーグの信濃グランセローズを3勝2敗で下し、日本一に輝いた。四国アイランドリーグplusについて、坂口裕昭事務局長に話を聞いた。

〇“マニー効果”を観客動員に生かした各球団 

「今年、一番インパクトがあったのは、やっぱりマニー・ラミレス選手でしょうね。今年、四国の平均観客動員数は、2010年以来、久しぶりに600人台を回復したんです。やはりこれはマニー効果でしょう。結局、マニーが来て注目されることで、高知ファイティングドッグスの地道な努力が認められた。お客さまを喜ばせようという取り組みが、さらに充実したことが大きいですね。他の球団も高知に負けてなるものかと、頑張った。香川なども高知とは違う取り組みをしました。マニーは大きなトリガーではあったけども、それをきっかけに各球団が今後も資産として残るような取り組みをしました。いわばマニー効果ですね」 

〇アンダーアーマーとコラボし、ユニフォームを一新 

「今年から4球団のユニフォームを一新しました。代理店のドーム社の提案を受けて、アンダーアーマーのユニフォームに変えたんです。アンダーアーマーは単なるサプライヤーではなく、各チームのテーマカラーを設定し,ユニフォームから始まる『物語づくり』を一緒に考えていただいた。四国発信のブランド作りのために、一緒に組ませていただいた、という感じです。 

 一番特徴的なのが、胸に各県名を大きく表示したこと。地域を担って野球をするという意識を明確に打ち出したことです。また帽子からユニフォーム、スパイクに至るまでアンダーアーマーで統一し、パンツはオールドスタイルのショートにして、ストッキングをはっきり見せるようにしました。ビジュアルから意識を変えていこうということです。 

 実は、マニー・ラミレスはMLB時代、長いパンツでストッキングが見えない着こなしをしていました。入団当初は、代理人との交渉で『ロングでもいいよ』と言っていたのですが、開幕戦では、みんながやっているから、というので、マニーもストッキングを上げて、同じスタイルにしてくれたんです。彼は私たちの意図を理解してくれたんですね。スポンサーのワッペンをつける位置一つを取っても、アンダーアーマーとずいぶんやり取りをして決めました。 

 アンダーアーマーは、読売ジャンアンツのユニフォーム・サプライヤーです。また、MLBとも2020年シーズンから10年間のサプライヤー契約をしています。ユニフォームの業界では、トップを走っています。そのイメージをいち早く取り入れたわけです。四国は今、人口が減って、経済力も落ちている。ネガティブな話題が多いけれど、四国からだってかっこいい情報発信はできるんだ、ということをアピールしたかったんです」 

野球のデータシステムを独自に開発

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