敵将も「私の理想の打撃」と脱帽 慶大に現れた「慶應幼稚舎出身」1年生スラッガー
13年間「KEIO」一筋の慶大・廣瀬が2戦連発、東大監督「2試合とも彼にやられた」
東京六大学秋季リーグ戦の第2週(26、27日)は初陣となった慶大が東大に2連勝し、2季ぶりの優勝へ好発進した。原動力となったのは1年生スラッガー・廣瀬隆太内野手。初戦の大学1号から2戦連発を放ち、鮮烈なインパクトを放った。
慶大に頼もしいルーキーが現れた。27日の東大戦、1点リードした7回無死一塁、廣瀬が甘く入ってきたスライダーを捉えた。豪快に引っ張った打球は左翼席に一直線。4-0とリードしながら、5回に3点を返され、嫌なムードを振り払う2ランとなった。
「どうしても東大に流れが行ってしまっていた。自分の一打で流れを引き寄せられればと思っていた。よく飛んでくれた」
前日に大学1号となる本塁打を放っており、これで2戦連発。この日は3安打も放ち、2試合で8打数5安打2本塁打で4打点、打率.625の大暴れだ。3番で起用している堀井哲也監督も「今、一番頼りになるバッター。(4、5番の)正木、下山が押されているくらい」と目を細める。
その存在感に、やられた東大も賛辞を送るほどだった。
元中日の井手峻監督は「ストレートを(逆方向の)右中間に打てるし、甘い変化球を長打にできる。いいバッターですね。私が理想とするバッティング。うちの選手にもこれをやれと言っているんだけど、それを1年生でやっているから。2試合とも彼にやられてしまった」と語った。
5回に1点差に迫る2点タイムリーを放った石元悠一(4年)も「春よりも慶應打線が振れていた。1年生の廣瀬君が引っ張って、うちが打たれてしまっている。僕は(卒業して)来年はいないけど、廣瀬君を抑えるのがキーになると思います」と話した。
慶應幼稚舎出身。13年間、「KEIO」一筋で慶應高時代は通算41本塁打を放ったスラッガー、入学後は下半身を中心にしたトレーニングで5キロ増量し、パワーアップに成功した。「将来の夢はプロ野球選手です」と意気込んだ1年生が慶應打線を牽引している。
(Full-Count編集部)