中大時代は指名漏れも「2年やれば可能性」 Honda吉田が2発で猛アピール成功

Honda・吉田叡生【写真:安藤かなみ】
Honda・吉田叡生【写真:安藤かなみ】

都市対抗出場をかけた南関東大会、Hondaは準決勝に進出

 都市対抗野球本選への出場権をかけた南関東大会が2日、県営大宮球場で大会初日を迎えた。第2試合では、Honda(埼玉・狭山市)がハナマウイ(千葉・富里市)を6-0で下し、準決勝に進出。Hondaは先発した新人の朝山広憲投手が8回無失点の好投。打線では、2年目の吉田叡生内野手が2本塁打を放ち、存在感をアピールした。

 1点リードで迎えた5回。先頭で打席に入った吉田が振り抜いた打球はぐんぐん伸び、右翼スタンドに設置された防球ネットの上部に直撃するソロ本塁打になった。吉田はこの日「1番・中堅」で先発出場したものの、2打席連続で空振り三振。ベンチで「バットを短く持ったらいい」とアドバイスを受けたことがきっかけに。迎えた第3打席はバットを指1本分短く持ち、コンパクトな打撃を心がけたことがアーチにつながった。さらに第5打席では1死から再び右翼スタンドへの一発を放ち、チームの勝利に貢献した。

 中央大では1年からスタメンも経験。4年春には首位打者、ベストナインにも輝いた。大学での実績をひっさげてプロ志望届を出したが、声はかからずにHondaに入社した。「2年やれば可能性がある。その可能性に向けてやるべきことを」と外野守備にも挑戦。走塁にも意識的に取り組み、昨季はチームトップの8盗塁をマークした。吉田は「工夫してアピールすれば、『吉田、脚もあるんだな』と思ってもらえる」と汗を拭う。

 今月26日に迫ったドラフト会議については「意識しないようにしても、『(スカウトが)来てるな』って目に入るので」と言葉に力が入る。この日も複数球団のスカウトの前でパンチ力を見せつけたが、「南関東予選の出だしが三振2つ……。でもホームランを2本打ったから、プラマイゼロになったはず」と控えめにはにかんだ。

 開田監督は「ホームランを打つバッターじゃない。出塁率が高いタイプ。でも、ホームランを打ってくれて助かった」と吉田の一振りに感謝。チームの目標は2009年以来の本大会制覇。さらに吉田は「個人タイトルを獲りたい。首位打者、打点王……。打撃で全部獲りたい」と目を輝かせた。173センチと小柄な身体を目いっぱいに使い、プロ入りもタイトルも貪欲につかみにいく。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

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