阪神は異例9人体制、ドラ1有力の近大・佐藤輝明が運命の日へ「やることはやった」
「やることはやったと思う。あとは見届けるというか、しっかり待ちたい」
今秋ドラフト1位候補の近大・佐藤輝明内野手が19日、ほっと神戸で行われた秋季リーグ最終戦の関大戦で「3番・三塁」で出場。4打数1安打1打点の活躍を見せチームの勝利に貢献した。大学4年間のリーグ戦を終え、26日には運命のドラフト会議が行われるが「やることはやった。しっかり待ちたい」と語った。
この日も佐藤を目当てにプロ6球団15人のスカウトらが集結。すでに1位を公表しているオリックス、阪神は和田豊テクニカルアドバイザーら総勢9名で球場を訪れ熱視線を送った。
前日の同戦ではOBの二岡智宏(現巨人3軍監督)のリーグ通算本塁打記録を更新する14号を放っていた佐藤はこの日もきっちり結果を残した。初回の第1打席で四球を選び先制点に繋げると、4点リードで迎えた4回2死一、三塁の第3打席では右前タイムリーで貴重な追加点を挙げた。
オリックス以外の他球団も1位候補に挙げており競合は確実な状況だ。三塁、外野を守れ走攻守で注目を集め、大学4年間のリーグ戦通算成績は通算81試合に出場し打率.288、14本塁打69打点と堂々たる数字を残した。
それでも、4年間を振り返った佐藤の表情はどこか晴れない表情を浮かべていた。
「ホームラン記録を更新できたのは自信になりますが……。満足できてない。もっとヒットを打ちたかったし、バッティング以外でもまだできる。これが実力と受け止めて次のステージに向けてしっかりとやっていきたい」
自身が求めるレベルはまだまだ上だ、と言わんばかりに反省を口にした。18年秋にベストナインとMVPを獲得、19年春にも打率.333、2本塁打12打点でベストナインを獲得したが、19年秋は打率.188、そして20年秋は本塁打記録を更新したが打率.257、3本塁打11打点。納得の表情は見られなかった。
ドラフト1位での指名は確実で、あとはどの球団が佐藤を引き当てるかが焦点になる。26日のドラフトに向け佐藤自身は「やることはやったと思う。あとは見届けるというか、しっかり待ちたいと思う」と穏やかな表情で口にした。打つだけでなく、脚力、そして肩も魅力な“走攻守”揃った逸材は一体、どの球団が交渉権を手にするのか。運命の日まで残り1週間だ。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)