ドラ1候補3投手競演で早大・早川が存在感 1-0完封も平静「ドラフトより明日の試合」
ロッテ1位指名公言の155キロ左腕がスカウト御前の立大戦で12K完封
東京六大学秋季リーグ戦は24日に2試合が行われ、26日に迫ったドラフト会議で1位候補に挙がる3投手が先発した。慶大―法大戦は慶大の155キロ右腕・木澤尚文投手(4年)と法大の152キロ左腕・鈴木昭汰投手(4年)が投げ合い、早大―立大戦は早大の155キロ左腕・早川隆久投手(4年)が先発。スカウトが大挙し、白熱した試合が繰り広げられたが、存在感を見せたのは12奪三振で完封した早川だった。
秋の神宮でドラフト1位候補がマウンドに次々上がった。第1試合の慶大―法大戦。先にマウンドに上がった鈴木は最速150キロの直球で押した。2ストライクから粘る相手に慎重になり7四球、6回2死から失策で失点したが、強力打線の慶大に6回135球で2安打9奪三振で自責0の力投を演じた。
対する木澤も初回から152キロを計測した。安打は許すものの、対照的に無四球の投球。1点ビハインドの6回に好機で打席が回って代打が送られたが、5回78球で4安打1失点。同点の場面で2番手に譲った鈴木を含め、ともに勝ち負けこそつかなかったが、試合は慶大が4-1で逆転勝ちした。
木澤は「長打は打たれたけど、四球がなかったのが最少失点でいけた要因。球数が少ないので、明日も行くと思って準備する」、鈴木は「相手も優勝候補でこの一戦にかける思いが強かった。その中でしっかりとしたピッチングをしていこうと思った」と振り返った。ともに満足感は示さなかったが、それ以上のインパクトを残したのが、第2試合の早川だった。
立大戦に先発したエース兼主将は、最速150キロの緩い変化球を交え、緩急も駆使。味方の援護が1点のみで緊迫した展開となったが、最大のピンチとなった7回2死一、三塁も最後はカットボールで空振り三振に斬り、ガッツポーズを繰り出した。3安打3四球、12奪三振で完封してみせた。
すでに1位指名を公言しているロッテほか、大挙したスカウト陣を前に堂々の146球。しびれる1-0完封について、早川は「相手より1点多く取っていれば勝てるので、それがたまたま今日、野手が点を取れなかったところを自分が死守しただけ」とクールに回顧。ドラフトについて問われても「ドラフトよりは明日に試合に向けて一戦必勝で戦っていければと思うので、明日の試合を勝ち切って待ちたい」と早稲田のエースとして振る舞った。
早川は複数球団の競合が確実視され、鈴木、木澤は外れ1位で入札の可能性がある。運命のドラフトまで、あと2日だ。
(Full-Count編集部)