早大・早川は「20年に一人の左腕」と小宮山監督が語ったワケ「本当に頼もしく育った」

立大戦に先発した早大・早川隆久【写真:荒川祐史】
立大戦に先発した早大・早川隆久【写真:荒川祐史】

ドラ1確実の左腕に込める期待、「早川は和田と比較されているので…」と持論

 東京六大学秋季リーグ戦は24日、早大の155キロ左腕・早川隆久投手(4年)が立大戦で12三振を奪い、3安打で1-0完封を演じた。26日のドラフト会議で1位指名が確実視されるエースについて、元ロッテの小宮山悟監督も早大の先輩との比較論に持論を展開し、期待を込めた。

 運命の日まで、あと2日。「ドラフト1位候補」として目玉とされるに相応しい投球を早川が見せつけた。序盤は最速150キロの直球主体に押し、立大打線が積極的に振ってくるのを見ると、中盤以降は緩いカーブも駆使。巧みな投球術で、強打が売りの相手を翻弄した。

 最大のピンチは7回2死一、三塁。カウント2-2からカットボールを縦に落とし、空振り三振に斬った。「自分が出した走者。ここを切り抜ければ攻撃に勢いがづくと思って、最後は三振を狙いにいった」。146球を要しながらも最後まで本塁を踏ませず、通算12勝目を今季2度目の完封で挙げた。

 そんな様子を頼もしく見つめていたのが、小宮山監督だった。「本当に安心して見ていられた」と称え、120球を超えた9回をマウンドに送ったことについても「点を取られるまでというつもりでいた。ただ、得点が1点しかなかったので、早川に託す形になった」と信頼を明かした。

 26日にはドラフト会議を迎える。指揮官として送り出す気持ちを問われると「まな板の鯉なので、どうもこうもない」と笑いながら「(1位競合で)クジを引くことになるでしょうから、どなたがクジを引くのか、どんなご縁があるのか。そういうつもりでいます」と心境を明かした。

 成長を見守ってきた立場として親心がある。「選手として、これ以上ない形でドラフトを迎えられる。皆さん(報道陣)の情報によると『10年に一人の野手』が騒がれていますが、(早川は)和田と比較されているので(そう考えると)『20年に一人のサウスポー』ですから」と笑いを誘った。

 近大・佐藤輝明が「10年に一人の野手」と評されることに触れ、早川も02年に東京六大学の通算奪三振記録「476」を作った早大の先輩・和田毅(現ソフトバンク)に比較されていることから「20年に一人の左腕」と持論を展開し、「それを考えると、本当に頼もしく育った」と目を細めた。

 今季の奪三振率「14.635」は当時の和田に迫るとあって、その比較論については「和田と比較すること自体、どうかとは思うが……」としながら「こっち(早川)の方が球が速いから。速い球を投げられる方が価値があると思う」と冗談半分で教え子を贔屓したが、それも期待の裏返しだ。

 早川本人も「和田さんと比較されることはすごく光栄だけど、まだまだ足元には及ばないと思っている」と冷静に語ったが、一方で無限の可能性を秘めた左腕は「和田さんを追い越したと(いずれ)言われるような投手にならなければいけないと思う」と夢を描いていた。

(Full-Count編集部)

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