モノノフで“遅刻魔”? 名伯楽が明かす阪神1位の近大・佐藤の超マイペース秘話
父は五輪一歩手前の柔道家 体操やサッカーにも親しんだ身体能力
26日のドラフト会議で4球団の1位指名が重複し、抽選の末に阪神が交渉権を獲得した近大の左の長距離砲、佐藤輝明内野手。「長打力が僕の1番のアピールポイント。将来は本塁打王を取りたいですし、40本、50本が当たり前の選手になりたい」と威勢がいい。恩師の田中秀昌監督は大いなる期待と、一抹の不安を抱いている。
田中監督はかつて、上宮高のコーチとして元木大介氏(現巨人ヘッドコーチ)、同監督として元メジャーリーガーの黒田博樹氏、東大阪大柏原高監督時代には現巨人の石川慎吾外野手、2014年に近大監督に就任した後も、今季パ・リーグ新人王有力候補の楽天・小深田大翔内野手らを育てた名伯楽である。
佐藤は「無名だった自分を育ててくださった監督に、感謝しています」と語る通り、兵庫・仁川学院高3年夏の県大会は初戦敗退。それでも田中監督は、同高の監督が近大OBだった縁もあって佐藤を受け入れた。「1位指名が重複するほどの選手になるとは思わなかったが、入学当初からスイングスピードはめちゃくちゃ速かった」と振り返る。
1年の春から早くも外野手として打線の中軸を担い、2年からは三塁手。2年の夏には大学日本代表として、日米大学選手権に出場するまでになった。今秋の関西学生リーグでは、近大の先輩である二岡智宏氏(現巨人3軍監督)が保持していた通算13本塁打のリーグ記録を抜く通算14号を放った。