日ハム近藤健介はどうやったら打ち取れる? データも“お手上げ”の弱点のなさ
規定打席に到達したシーズンではいずれも打率.300を超えている
今季、最高出塁率のタイトルを2年連続で獲得した日本ハムの近藤健介外野手。卓越した選球眼は健在で、オリックスの吉田正尚外野手やソフトバンクの柳田悠岐外野手らリーグを代表する強打者たちを抑えて出塁率.465をマークした。
近藤が持つ魅力は、選球眼だけではない。2018年から3シーズン続けて打率3割を超え、今季もリーグ3位の打率.340を記録。打撃技術の高さもリーグ屈指だ。得点圏での貴重な一打も多く、勝負強さも随所で発揮。主砲の中田翔内野手が休養などで4番を外れた試合では、代役として4番を務める機会もあった。
打率や出塁率のみならず、セイバーメトリクスの観点で用いられる各種の指標でも、近藤の打撃成績は秀でている。今回は、具体的な長所や特徴を指標をもとに分析。得意とするコースや球種なども紹介し、安定した打撃を続ける理由をデータの面から迫っていきたい。
まず、近藤の年度別や通算の成績を見ていきたい。
初めて規定打席に到達した2015年以降、年間打率が.300を下回ったのはわずかに一度だけ。通算でも打率.309、出塁率.412とそれぞれ大台を超えており、リーグを代表する好打者の一人といえる。怪我に苦しめられるシーズンも少なくはないが、これまで規定打席に到達したシーズンではいずれも打率.300を超えている。
年度別の成績では、規定打席未満ながら打率.400超えの数字を記録した2017年が目を引く。2015年にもリーグ3位の打率.326という好成績を記録していたが、2017年を境に打撃は進化。2018年からは3年連続で規定打席に到達して打率.300超えを果たし、出塁率もそれぞれ.420以上を記録。2019年には3桁を超える四球を記録するなど、そのチャンスメーク能力は際立っている。
続けて、近藤の打撃をセイバーメトリクスの観点から分析。出塁率と長打率を足して求める「OPS」、三振数を打席数で割って求める「三振率」、四球を打席で割って求める「四球率」、出塁率と打率の差を示した「IsoD」といった各種の指標に着目した。
高いミート力を持つ近藤は、キャリアを通じて三振率は2013年の.175が最も高い数字に。規定打席に到達した上で三振率.117という数字を記録した2015年をはじめ、主力に定着してからの三振率は安定して低く抑えられている。