都市対抗8強は九州・四国勢の躍進目立つ 西部ガス香田監督は出場枠減に発奮
九州勢の西部ガス&ホンダ熊本、四国勢の四国銀行がベスト8に進出した
23日から東京ドームで行われている第91回都市対抗野球大会の8強が、30日の第1試合で出揃った。今大会は四国、九州代表の躍進が目立つ。一方で昨年4強チームが全て初戦敗退となった。社会人野球最高の栄誉のひとつ・黒獅子旗の行方に注目が集まる。
8強入りを果たしたのは、セガサミー(東京都)、NTT西日本(大阪市)、ホンダ(狭山市)、西部ガス(福岡市)、日本新薬(京都市)、ホンダ熊本(大津町)、四国銀行(高知市)、NTT東日本(東京都)。
九州地区の代表は2チーム。第1代表のホンダ熊本、第2代表の西部ガスだ。大会5日目に初陣のホンダ熊本は、大会初のタイブレークを制し6-5で日本通運にサヨナラ勝ち。2回戦は新人・山本卓弥外野手(亜大)が2戦連発となるソロを放つなど3打点を挙げる活躍で、JR東日本を4-1で破って、17年ぶりに8強に進出した。
大会3日目に登場した西部ガスは日本製紙石巻を3-1で撃破。創部からの悲願だった全国初勝利を挙げ勢いに乗ると、2回戦では鷺宮製作所との接戦を2-1でものにし、8強入りを決めた。エース・村田健投手(東農大)は2試合を通じて16回を投げ、ここまでわずか2失点とチームの躍進を支える。
唯一の四国地区代表・四国銀行は26日にハナマウイと対戦し、1-0で勝ち上がった。先発したチームの大黒柱・菊池大樹投手(龍谷大)が今大会完封一番乗り。2回戦でも安定した投手陣が本戦出場54回を誇るパナソニック打線を封じ、2-1でチーム初の8強進出。補強の選手とも一体となり、オール四国で快進撃を演じる。
九州地区から2チームが8強に進出するのは、第37回大会の大分鉄道局(大分市)、八幡製鉄(北九州市)以来55年ぶり。四国代表の8強入りも、第48回大会の丸善石油(松山市)以来43年ぶりだ。九州地区は第89回大会から代表枠を3から2に減らされており、厳しい戦いが続いている。西部ガスの香田誉士史監督は「(枠を減らされたのは)勝っていないということ。そこは九州全チームのテーマ」とキッパリ。自チームだけではなく、地区全体のためにも負けられない戦いが続く。
一方で、前大会で4強に入ったJFE東日本(千葉市)、トヨタ自動車(豊田市)、東芝(川崎市)、日立製作所(日立市)が全て初戦で敗退した。社会人野球の頂点が決まる決勝は12月3日の18時から行われる。
(安藤かなみ / Kanami Ando)