栗山監督に涙なし、笑顔で送った大谷の“嫌われ役”へ「イラッとするような…」

札幌ドームで記者会見を開いた大谷翔平と栗山英樹監督【写真:石川加奈子】
札幌ドームで記者会見を開いた大谷翔平と栗山英樹監督【写真:石川加奈子】

日ハム時代は報道陣の前では厳しくダメ出しも、監督室では…

 日本ハムの栗山英樹監督が25日、札幌ドームで行われた大谷翔平投手の記者会見に出席。大谷が世界一の選手になるために、嫌われ役を買って出る考えを明かした。

 米国では外国人選手になり、厳しいことを指摘されにくい立場になることを想定しての親心だ。

「翔平が世界一になるステップを踏めるかどうか。全てはそこなので、これからは本当に嫌なことを言う係にならないといけない。LINEのメッセージが入ると(大谷が)イラッとするような。(返事を)返さなくていい。イラッと思うところは頭に入る。そこは考えなさいという部分」と、遠く離れても気になる部分は指摘していく。

 二刀流に挑戦したこの5年間で育まれた師弟の絆は強い。これまで栗山監督は報道陣の前で大谷のことを褒めず、ダメ出しばかりしてきたが、その意図はしっかり大谷に通じていた。

 この日の会見で、大谷が笑みを浮かべて明かした。「監督室では『体は大丈夫か』とか、(報道陣への言葉と)真逆の感じなので。表向きにそう言ってもらっていることに感謝していますし、僕のことを守るためにやっているんだなというのは、記事を見て感じるんじゃないかなと思うので。そこは本心、発信の意図を理解していたので、ありがたいなと思います」

 今季ホーム最終戦で見せた「4番・投手」で二刀流日本編は完結した。新たなステージで2人が目指す頂はとてつもなく高い。栗山監督はワールドシリーズ制覇だけでは満足しないという。「チームの中心として自分で優勝させなければ意味がない。中心になってチームを優勝させられる力があると思っているから、そうなっていなければ、まだまだ足りないんだという風に思っている」と、大谷にあえて高いハードルを設定した。

 涙もろい栗山監督が、この日は笑顔で愛弟子を送り出した。師弟コンビが目指すゴールはまだまだ先にある。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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