米メディアが大特集 イチローとジーター、偉大なのはどっち?
守備面でのイチローのアドバンテージは大きい
攻撃面でのジーターのアドバンテージは、わずかなものだ。一方で、守備面でのイチローのアドバンテージは大きい。
ショーエンフィールド記者は「どれほど熱狂的なヤンキースファンでも、ジーターのショートよりもイチローのライトの守備のほうが優れていると認めるだろう」と指摘する。もちろん、数字上でも表れているという。
Baseball-Reference.comを参考にして、攻撃と同じように27~39歳での守備防御点を見ると、イチローは「106」となっているという。これは、守備で106点を防いだという計算だ。逆に、ジーターは「-182」で、相手に182点を余計に与えたということになる。27~39歳のくくりで見ると、イチローの数字は1901年以降で19位に位置し、ジーターはワーストだという。
また、公平な目で見るため、両者の2つのベストシーズンのWARを比較すると、ジーターは1999年が8.0、1998年が7.5だが、イチローは2004年が9.1、2001年が7.7といずれもイチローが上回っている。
このような数字で見れば、イチローはジーターよりも素晴らしい選手だと言えるかもしれない。ただ、見落としてはいけないのが、イチローにはここ数年で衰えが見えていることと(2010年を最後に打率3割を打っていない)、ジーターが毎年のように10月のポストシーズンを戦っているのに対して、弱小球団のマリナーズでプレーしてきたことだ。ジーターは5度の世界一に輝いているが、イチローは1度もないどころか、ワールドシリーズにも出場したことがない。これは最大の違いだ。
ただ、ショーエンフィールド記者は以下のように記している。
「ジーターの偉大な遺産から数字だけを分離するのは非現実的だろう。ジーターは黄金時代のヤンキースでずっとピンストライプを着てきた。ヤンキースにドラフトで指名されたことは幸運だったが、多くの人がジーターなしではヤンキースはこれほど多くのタイトルを取れなかったと仮説を立てるだろう。では、マリアーノ・リベラ、バーニー・ウィリアムズ、アンディ・ペティット、ポール・オニール、ホルヘ・ポサダ、オーランド・ヘルナンデス、デビッド・コーンら多くのプレーヤーなしで、タイトルを取れただろうか? 1人の選手が王者のタイトルを勝ち取るわけではないのだ」