北信越勢が今夏の甲子園で大暴れ 意識改革を促した5年前の日本文理の躍進
今回の北信越の出場校は甲子園に来ることだけで満足していない
いかに全国で勝つか。これがテーマになった。ある東北の甲子園常連のチーム関係者は言う。
「私の学校は全国の相手を見て、チーム作りをして、地方大会を戦っています。目標は全国制覇。ただ、県内の他の学校は、私たちを倒す!という目標でいてくれているから、まだありがたい」
東北は甲子園の優勝こそ出ていないが決勝進出、ベスト4、ベスト8には必ず出てくる。つまり目標と意識の差が力の差につながっているということだ。全国制覇を目指す学校と、県で勝つことを目標に練習してきたチームではレベルが違う。
新潟県勢も以前は決して強いと言われなかったが、今では日本文理や新潟明訓らが夏に出てくると上位進出を狙えるまでになった。新潟県全体のレベルも上がっている。他の地域も同じだ。
今回出場している北信越の学校は、甲子園に来ることだけで満足はしていない。
日本文理が見据えるのはもちろん頂点。過去に決勝進出したことのある星稜も優勝を狙う。富山商は昨年夏にベスト8だった富山第一を上回る成績を目指している。敦賀気比も十分に優勝を狙える位置におり、佐久長聖も元PL学園で前田健太(広島)らを指導した藤原弘介監督が率いており、全国クラスの頭脳をチームに注入している。他県からの指導者や、経験豊富な指導者を招聘し、県を挙げて強化を図っているところもある。
もう弱いとは言わせない。目的意識が変われば、取り組みも変わる。時代の流れとともに指導者の考え、球児の実力、高校野球の勢力図が変わってきているのだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count