青木宣親も認めるロイヤルズPO進出の原動力 才能ある若いチームを後押しした42歳ベテランの存在
今季途中にエンゼルスから加入した42歳・イバネスの存在
6月30日、ロイヤルズは10日ほど前にエンゼルスを解雇されたベテラン外野手ラウル・イバネスと契約を結んだ。42歳のイバネスはメジャー19年目を迎える大ベテラン。マリナーズ、フィリーズ、ヤンキース、エンゼルスと渡り歩いた。ロイヤルズのユニフォームに袖を通すのは、2001~3年に続き2度目のことだった。
勝てないチームの苦しみも知っているし、勝つことを求められるチームのプレッシャーも知っている百戦錬磨の選手だ。昨季は41歳ながらにして29本塁打という素晴らしいシーズンを送ったが、さすがに今年は年齢による衰えを感じざるを得ない状況にはなっていた。
もちろん、エンゼルスに解雇されたのも「成績不振」が理由。だが、ロイヤルズのデイトン・ムーアGMは「渡りに船」とばかりにイバネスと契約。「以前から信奉していた」というムーアGMがイバネスに期待したのは、プレーでの貢献以上に、若いチームに欠けていた経験の深さとベテランの知恵だった。
チームに加入してから3週間が過ぎた7月22日。4連敗を喫して6月7日以来の借金2となった翌日、遠征地シカゴでイバネスは選手だけのミーティングを開き、こんな話をしたという。
「このチームは勝つために必要な才能と可能性を持っている。他のチームから見ると、ここに揃う才能は恐ろしいものばかりだ。必要なのは、自分たちの持つ才能を信じること。自分たちを信じることを忘れるな」