ドラフトの勢力図を変える男 世代NO1の実績誇る早大・吉永は復活できるか
東大戦で531日ぶりの勝利、甲子園優勝投手が見せた復活の兆し
高校、大学で日本一に立った男が、失った輝きを取り戻そうとしている。
早稲田大の吉永健太朗投手(4年)が、18日に行われた東京六大学野球の東大戦で7回から今季初登板した。3イニングで毎回の5三振を奪って無安打無失点。完璧なピッチングを見せつけた。
現役2位となる通算11勝目をマーク。この1勝は2013年11月3日の慶応大戦以来、実に531日ぶりとなった。世代ナンバーワンの実績を誇る甲子園優勝投手が苦しみながらつかんだ白星。復活への光が見えてきた。
東京の名門・日大三のエースとして11年夏の甲子園で優勝。右のオーバーハンドから繰り出す140キロ台後半の速球と、左投手のスライダーのように曲がるシンカーを柱に全国の強打者たちを封じ込めた。プロ志望届を出せば上位指名されると言われていたが、進学を選んだ。
早稲田大では1年春にデビューから4連勝。リーグ優勝に導き、自身は最多勝、最優秀防御率、最多奪三振とタイトルをいきなり総ナメにした。ルーキーの勢いはとどまることを知らず、6月の全日本大学野球選手権でも2勝。1年生ながら、MVPまで受賞した。