Aロッドの本塁打記録は祝福されるべきか 焦点となる偉業の価値
本塁打記録ボーナスが遺恨の再燃に? 球団側は試合の資料にも詳細を掲載せず
だが、両者の良好な関係はそう長くは続きそうにない。というのも、ロドリゲスはメイズの本塁打記録に到達すれば600万ドル(約7億2000万円)のボーナスを受け取る契約を結んでおり、これが遺恨の再燃となる可能性が高いからだ。米メディアによると、ヤンキース側は支払いを拒む意向であるという。
ヤンキース側の言い分としては、過去の薬物使用が発覚した今、記録に意味はなく、契約自体が無効になるということなのだろう。それを示すかのように、開幕当初、報道陣に配られるゲームノートにA・ロッドの本塁打記録の詳細を加えないなど頑なな姿勢を見せた。
これに対し、地元紙デーリー・ニューズなどの米メディアは「A・ロッドの方が大人の対応を見せているようだ」とヤンキースの経営陣に批判的。「チームの勝利に貢献することだけを考えている」と、今のところ優等生を保っているA・ロッドを評価する声が意外にも強まってきていることから、ヤンキースが強引な行動をとれば、批判を浴びる可能性もある。選手会を巻き込んだ騒動に発展するかもしれない。
いずれにせよ、記録をどう位置付けるかはファンやメディアなど周りが評価すること。記録達成が近づけば、ヤンキースが望まなくても注目度は高まるだろう。当初はそこに価値を見出し、ボーナス契約を結んだのだから、今になって記録に付加した価値を排除しようというのは少々無理があるようにも感じる。