兄は西武・大崎 流経大を準優勝に導いた好打者、「3兄弟日本一」への夢

今大会は打率5割6分3厘、飛躍を支えた兄弟の絆

 だからこそ、健吾は大学で「日本一」の称号にこだわった。2年春から右膝の故障に苦しんだが、秋に復帰すると、今春はレギュラーに定着。ベストナインを受賞した。そんな飛躍を支えたのが、次男の大二朗だったという。

「試合を見に来てくれて、技術的なアドバイスをくれた。自分じゃ気づかないところに気づいてくれて、大二朗兄ちゃんの言葉が物差しになった」

 兄弟二人三脚の努力の甲斐もあり、チームは東京新大学の盟主・創価大を撃破。12年ぶりの大学選手権出場をつかんだ。今大会も大二朗は毎試合スタンドに駆けつけ、すぐに助言をくれた。青学大3年春に選手権を制覇している長男・雄太朗もシーズンの合間に励ましの連絡をくれた。

 2人の兄の後押しを受け、健吾は今大会16打数9安打、打率5割6分3厘、2打点と活躍した。全国の好投手を相手に打ちまくり、エース・生田目翼とともにチームを牽引。ダークホースといわれたチームを、決勝まで押し上げた。

 初優勝をかけた大一番でも5打数4安打と気を吐いたが、終盤の逆転負けで「3兄弟日本一」はならず。それでも、健吾の顔に涙はなかった。全力を尽くした自負があるからだろう。

「全国のいいピッチャーと対戦できて、今後へのいい財産になったと思う」

 秋の明治神宮大会も含め、あと3度のチャンスがある。「3兄弟日本一」の夢は、まだ終わらない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY