【高校野球】東北初V狙う仙台育英、“清宮フィーバー”にも淡々 「9人の中の1人」
佐々木監督は清宮フィーバーを一蹴、「9人の中の1人」
早実といえば、やはり、注目は清宮。そのことを聞かれた佐々木監督は「9人の中の1人です」とぶっきらぼうに答え、「清宮くんが9人、並んでいたら分からないが、そうじゃないので」と独特の言い回しで“清宮フィーバー”を一蹴した。
平沢も清宮を「いいバッター。勝てるところ? ないです」と実力を認めた上で「3番ばかりを頭に置かず、“早稲田実業”と戦いたい」。球場の雰囲気にのまれたと話した早実の対戦校がいたと聞いても「スタンドより、相手と戦うこと」と、あくまで相手は早実という1つのチームであることを強調した。
実際に対峙する可能性があるエース・佐藤世那は「3、4番を一番、注意したい」とし、清宮に関しては「対策よりも気持ちで負けないことが一番。三振は狙わず、打ち取ることを考えたい」と言葉を選んだ。「失点しても打ってくれるチーム。マウンドにいても心配しないで投げられる」と、ここまで4試合連続2桁安打の強力打線の援護を待つ。
26年ぶりの4強入りで、頂点もかすかに見えてきた。平沢が「東北の代表という気持ちもあるので、東北の代表として戦いたい。(高校野球が始まって)100年の節目の年に優勝することはいいこと。みんなで協力してやっていきたい」と意気込めば、佐藤世は「次、勝たないと、ここまで勝ってきた意味がない。決勝の舞台に立てるように頑張りたい」と準決勝の先を見据える。
仙台育英が戦うのは、1人の選手でも、球場の雰囲気でもない。「早稲田実業」なのだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count