イチロー、フェンス激突の美技 怪我しない体作りは「そもそも考え方が違う」
全体練習が休みでも1人フィールドでストレッチ、「考え方がそもそも違う」
このワンプレーのために、周到な準備を整えていた。この日はナイター明けのデーゲームだったため、全体練習はなかったが、試合開始前の午前11時43分にクラブハウスからフィールドに一人飛び出した。
「お疲れ様です」
ベンチ前で報道陣に声をかけると、外野までゆっくりと走った。フィールドに横たわり、股関節など全身のストレッチとランニングを交互に約10分間行った。その後、地元ファンのサインのリクエストに応じて、ダグアウトに戻った。41歳の現役メジャー最年長野手は、驚異的な柔軟性の源となる準備をしっかりと済ませていた。
「考え方がそもそも違う。他(の選手)とは比べられない」
この日のフェンスへの激突は2日前ほど激しくなかったが、難易度の高いジャンピングキャッチを成功させた上に怪我1つしないレジェンドの凄みは、どんな日も欠かさない準備にある。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count