ドラフト指名漏れも前向く“由伸2世”谷田「2年でその名に相応しい選手に」
今回のドラフトで最大のサプライズとなった指名漏れ
慶大に進学後も、常に大きな注目を浴び続けた。1年春の東大戦でいきなり大学1号を打ち、その秋からレギュラーに定着。2年以降はクリーンアップを託され、神宮の空に描いたアーチは4年間で実に15本に上った。押しも押されもしない名門の4番打者に成長したが、その名前はこの秋、予期せぬ形で野球ファンの間を賑わせることになった。
10月22日のドラフト会議。チームメートでもある山本泰寛(巨人5位)、横尾俊建(日本ハム6位)が指名される中、メディアの間で「上位候補」「指名確実」といわれていた谷田成吾の名前は、最後の最後まで呼ばれることがなかったのだ。
今回のドラフトで最大のサプライズと言っていいかもしれない。指名漏れした理由については、右投げ左打ち外野手の飽和状態という球界の現状、打撃面の安定性、各球団の他の指名選手との巡り合わせ……など外野からは様々挙がっているが、プロ側が個別に指名しなかった選手についてコメントすることはなく、答えはない。
確かなことは順風満帆だった野球人生で最大の挫折になったということだろう。慶大・大久保秀昭監督はドラフトの数日後、「本人は気丈に振る舞っているが、内心では泣きたいくらいでしょう」と話しており、いかに本人のショックが大きかったかうかがい知れる。