侍打線の落とし穴は「いつでも打てそう」 打者心理がグループ突破の鍵に
「上から目線になると、ちょっと怖い」も、「全員束になれれば、日本はトップクラス」
プエルトリコとの強化試合2戦目。相手投手陣は軒並み140キロに満たない速球ながら、特有の動くボールに惑わされ、8回まで1得点とリードを許す展開だった。そんな「打てそうで打てない」という状態になることを野口氏は危惧する。
「いつでもいけそうだと思っちゃうと、基本的に上から目線になると、ちょっと怖いですね。韓国先発の金廣鉉(キム・グァンヒョン)のような『いいピッチャー』『過去に日本がやられたことがある』という投手を相手にすると、少し謙虚な気持ちで打席に入るじゃないですか。そういう気持ちが常にあればね。たとえば、ベンチで見てて『こいつ、いつでも打てそうだな』と思っちゃうと、それが落とし穴になるんじゃないかなと思いますね」
普段対戦することが少ない、動くボールを主体とするタイプの投手たちと対戦する際の打者心理をこう分析。「韓国戦の選球眼の良さに関しては、コーチがそういう指示を出したと言っていましたが、それがみんな守れたからそうなったわけで」と謙虚な姿勢が好結果につながったと考察した。
「個々の能力として、たとえば遠くへ飛ばす力とか、そういうのを見ると決して上ではないと思うんですよ。でも、日本はその代わりに『スモールベースボール』と言われたような戦い方がある。繋がりとか、粘りとか、日本の戦い方がある。それがしっかり出来れば、総合力では、打線として9人全員で束になってかかっていったら日本はトップクラスだと思う。そういう戦いが出来ればいいですね」
日本の野球を体現することこそが、グループB突破の一番の近道。打線が韓国戦で見せた繋がり、粘りを持続できるならば、決勝トーナメント進出の道は自然と開かれるはずだ。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count