トライアウトで最多安打 元ヤクルト育成・佐藤貴規はなぜ輝けたのか
福島で積み上げた地道な努力、「技術というよりもメンタル」
NPBの舞台であれば契約の形態を問わず「いくと思います」ときっぱりと言い切った。
「ヤクルトで4年間やってきた中で、ほとんどのことを試してやってきて、それでもなかなかいい方向に進まなかった。でも村田さんとやってきて、練習法とかも全然違った。
技術というよりもメンタルという部分で改善していこうと。そういうところから改善していこうということでやってきて、それメインでずっとやっていました。練習量は少ないですが、毎日同じことの繰り返しを10分でも5分でも毎日続けることで、すごく我慢することで、メンタルも強くなると信じてずっとやってきました」
同じく2014年に戦力外通告を受けた、元日本ハムの村田和哉選手兼任コーチと今季、二人三脚で地道な努力を続けたことを明かした。
その努力がNPB球団との契約につながるかはまだ分からない。しかし、確実に成果を静岡の地で見せつけた。「あとは待つだけです」――。独立リーグで練習に励む仲間への思いを背負う22歳。吉報は届くだろうか。
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富樫重太●文 text by Shigeta Togashi