SB松田が激白、目標は本塁打王 「HRテラス」を「最大限利用」で40発へ
今オフには海外FA権を行使、「僕の中ではすごくいい経験。全く間違ってなかった」
――元々、MLB志向がなかったが、海外FA権を行使した。心が動かされたのはいつでしたか?
「正直、あまり意識もなくて、僕には関係ない話だと思っていて、海外FA権を取ったんですけど、シーズン終了ぐらいでそういう話があるということを聞いた時には『ああ、そうか』と簡単に流せる話ではなかったので。『聞いてみたい。本当にどうなのか?』ということで、FA権を行使して、色々と聞ける状態にさせていただきました」
――評価が聞きたいというのが一番の目的だった。そこから少しずつ向こうでプレーするということに心が動いていきましたか?
「ウインターミーティングで(MLB球団から)話があったのを聞いたり、あとは11月終わりにパドレスのGMが(福岡に)来てくれたりと色々あって、日に日に色々と話が深まっていくというか、その中で相当悩ましくて…」
――実際に、メジャー挑戦へと気持ちがグラっと来た瞬間はありましたか?
「ありましたね。常に(ホークス)6対(MLB)4くらいで、最後の12月後半まで来ましたね。これがホークス9対1になったのも最後の最後で、早い段階で8対2とかにはならなかった。常に5対5とか、6対4くらいの間で揺れていたんですよね。時には、逆にメジャーが6で、ホークスが4になる時もありましたし、だからこそちょっと(決断が)伸びたというか、決めかねたというか、即決できなかった現実がある。日本とアメリカは全く違うところでやる。捉えようによって『日本でやったほうがいい』という人もいるし、『アメリカでやったらいい』という人もいる。本当に難しかったです」
――松田さんの情熱、エネルギーを評価するという球団も多かったと聞いています。
「実際に海外FA権を行使して行かなかったという事実があるんですけど、松田という選手に対して、メジャーの球団の方がそういう言葉をかけてくださったということで、これまでの自分の野球、プレースタイル、取り組んできた姿勢というものは間違っていなかった(と思えた)。これは日本に残るからといって変えることもないなと思います」
――海外FA権を行使した経験をこれからの野球人生に活かせると。
「そうですね。僕の中ではすごくいい経験というか、全く間違ってなかったと思います。FA権を行使したことも間違ってない。『残留した』『移籍した』という結果は人がどう捉えるか分からないですけど、すごい経験をさせてもらったと思います」
――最終的には王貞治球団会長と話して残留を決められました。それまでに球団の方の話も聞きましたか?
「球団の方はとにかく待ってくれている状態でした。普通なら毎日、電話して引き留めようとするかと思ったら、しっかり待っていてくれた。自分の思いを尊重する、と言われたので、そういう意味ではありがたかったですね。毎日、『残ってくれ』と言われたら、考える時間なく『(メジャーに)行っちゃおう』とか、逆に『残る』となっていたかもしれないですけど、しっかり考えさせてもらえる時間がありました」
――王会長の話を聞くまでは本当に決められなかったと。
「そうですね。実際に話をさせていただいた次の日に『行きます』と言えなかったというのが本音で…。『お前は俺の中では来年もホークスで一緒にやると思っているから』と言われた時に、素直に『アメリカに行って頑張ってきます』という言葉は出せなかったですね。でも、それまでの過程ですごい経験をさせてもらった。ウインターミーティングの過程を聞いても、興味を持つという球団はあったので、そういう意味ではよかったと思います」