外国人選手の苦悩…日本人選手がMLBが経験するカルチャーショックとは?
食事の苦労
食事も適応できるかのポイントだろう。日本でも多くの多国籍レストランが展開されているのと同様に、米国では日本食がブームとなり、日本食レストランが各州で見つけられるようになった。しかし、それらは「懐かしい味」とは程遠いものだ。
問題は試合後の食事。米国ではクラブハウスで食事が用意されているが、場所によってその質は異なる。日本ではホテルに戻って、食事会場が用意されているだけではなく、街に出れば夜遅くまで飲食店は開いている。しかし、米国ではほとんどのレストランは有無を言わせず夜10時ごろに閉店する。唯一、朝2時まで開いているスポーツバーでは満足な食事は期待できない。
ある球場のクラブハウスで遠征チーム担当のクラビー(クラブハウス職員)が、我々日本人にご飯を炊いてくれたことがあった。少しでも懐かしい味を提供してあげたいという心遣いだった。しかし、残念ながらこのご飯がとてつもなく臭かった。この球場スタッフへの感謝と彼らの名誉のために詳細は触れないが、日米で作ってもさほど変わりないと思われる白飯でさえ、日本人が食べられる味にはできなかったのだ。