「俺たちは1番弱い」― 甲子園の負けから受け止めた現実

「僕らは何もできなかった」、同じ失敗は繰り返さない―

 今大会からセンターに入り、2番打者などで打線のつなぎ役になったU15で侍ジャパン経験のある本橋も「(東邦の)藤嶋相手に僕らは何もできなかった。攻撃面も守備面も気持ちの面でも一からやり直さないといけなかった」。優勝しても笑顔はない。

 大会中の試合では体を張ったプレーもあった。

 選抜では守備でセカンドとセンターの間に上がった飛球を両者がどちらもとれずに失点につながったケースがあった。春季大会の試合で同じような打球が上がったが、二塁手と中堅手は交錯しながらも捕球。意地でもボールを離さなかった。二塁手は負傷し、ベンチに下がったが、同じ失敗は繰り返さないという意思が伝わってきた。

 秋に続いて、春も東京を制した戦い方は見事だったが、勝ち上がり方や試合の中身は全く違っていた。悔しい負けから、一からチームを見つめ直した。細部の徹底と自分たちの立ち位置をもう1度再確認。慢心を一切なくしたチームは新たな強さを手に入れたように見える。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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