14年ぶり勝ち点逃した東大、浮き彫りとなった課題とは
「なまってしまった体を作り直すところから始める」東大
宮台は1回戦で141球を投げていた。中1日の登板は酷ではあるが、2戦先勝の勝ち点制を敷く大学野球リーグのエースにとって避けて通れない道。これを克服できなければ、選手層の薄い東大にとっては大きな不安材料となってしまう。
もともと宮台は故障の多い選手だった。昨秋も最優秀防御率のタイトルを争う好投を演じながら、左肩痛があるため球数制限を設けていた。さらにシーズン終了後の昨年11月には右足裏を疲労骨折。怪我と戦いながら、シーズンを送っている。
この故障の多さには、東大特有の原因も関係しているようだ。受験勉強である。
六大学で唯一、推薦制度を持たない東大は一般入試を突破し、合格するしかない。宮台も神奈川・湘南高3年7月に部活を引退した後、1日12時間とも言われる受験勉強を半年間続け、翌年3月に文科一類に合格した。その間、スポーツ推薦で入学した他校の新入生は春季キャンプに参加するなど、対照的な時間を送っているのは言うまでもない。
そして、浜田監督が「受験勉強でなまってしまった体を作り直すところから始める」と言うように、東大は入部すると基礎体力作りから始まる。ほとんど動かしていなかった肉体を、タフな大学野球のリーグ戦を戦い抜くまでに鍛え上げるのは並大抵のことではない。