「ベースボールの日」に魅せた日本野球 四国IL選抜が北米遠征5勝5敗でカナダへ

ボールダーズに2勝1敗と勝ち越し

 現地時間6月19日。試合開始の14時が近づいたアメリカ・ニューヨーク州ポモナのロックランド・ボールダーズの本拠地・パリサデス・クレジット・ユニオン・パーク。詰め掛けた4691人の観衆は改めてベースボールと触れ合える喜びを体いっぱいに受けていた。

 そう、この日は「ベースボール記念日」。1846年、アメリカ・ニュージャージー州で記録に残る最初の公式戦が行われたことから、アメリカでは記念日に制定されている。それから太平洋を越え、日本に渡り、愛媛県松山市出身の俳人・正岡子規が「の・ぼーる=野球」と訳し、それが「やきゅう」に変化して170年。四国からアメリカに渡った「四国アイランドリーグplus ALL STARS」がベースボールの母国で試合を行うのも何かの縁を感じずにいられない。

 そんなメモリアルな日は北米遠征中の“カブキJAPAN”「四国アイランドリーグplus ALL STARS」にとってもメモリアルな一日となった。2014・2015年キャンナムリーグ覇者のロックランド・ボールダーズに、前日に続き延長10回・5-4で連勝。しかも計4点を失った2回裏を超えてからは、走攻守にわたり野球母国の独立リーグ最高峰を圧倒したのである。

 1回表から攻撃陣は活発だった。四国アイランドリーグplus ALL STARSは2番・四ツ谷良輔(愛媛マンダリンパイレーツ)が右翼線を破る三塁打を放つと、続く松澤裕介(香川オリーブガイナーズ)が中犠飛を放ち先制した。

 先発の福永春悟(徳島インディゴソックス)が初回に5四球を出すなどをして3失点。2回裏にも2死一、三塁から右翼手が捕球態勢に入りながら、最終的には安打として1失点。計4失点でリードを許しても、彼らは相手先発左腕の制球難を把握し、各打者がしっかりとストライクとボールのゾーンを見極めにいっていた。

 5回表、3-4と迫る2点はそんな地道な積み重ねが如実に表れたものである。先頭の7番・加藤次郎(香川オリーブガイナーズ)が安打で出塁すると、その後、1死三塁へ。そして打撃好調の9番・平間が「左対左」のお手本通りのピッチャー返しで中前への適時打を放ち、さらに2死二塁から2番・四ツ谷も中前適時打。そこに3回以降は7回までわずか被安打2、2回までとは別人のように好投をつづけた福永のクレバーさもアシストする。

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