「最高の折り返し」― 四国IL選抜、北米遠征前半アメリカラウンド総括

中島監督「アメリカラウンドは90点」

 そして目につくのは若い選手たちの台頭だ。本来のショートではなくセカンドを守る19歳の平間隼人(徳島IS)が、攻守に存在感を発揮している。想像以上に球足が速く、しかも土の部分でイレギュラーバウンドすることの多い打球をうまく処理し、何度もピンチをしのいでいる。打撃でも9試合に出場し、打率・357(チーム3位)打点でも四番・ザックに次ぐ「8」を記録している。

 投手陣では足首のケガで調整中だった21歳の秋山陸が復帰し、中継ぎとして見事なピッチングを披露した。圧巻だったのは第8戦(ボールダーズ戦)だ。5回途中からマウンドに登り3者連続三振。イニングをまたいで6者連続三振を奪う。6人目が振り逃げとなり、3アウト目をやはり三振で獲ったため、2回7奪三振となった。

 だが、厳しくなってくるのは疲労がたまってくるここからである。今年は昨年よりもやや、ケガ人が多い。12日の第4戦(マイナーズ戦)でファールボールを追ってコンクリートの壁に激突し、左ヒザを痛めた河田直人(高知FD)、初戦の1試合3安打など打率・412を残している古川敬也(愛媛MP)らがケガによりメンバーから外れている。また18日のボールダーズ戦で手首に死球を受け、試合後に病院で診察を受けた橋本球史(徳島IS)だったが、骨には影響がないことが確認されている。河田がもうすぐ復帰できるところまで回復しており、明るいきざしも見えているが、後半の10試合をなんとか無事に乗り切ってほしいところだ。

「いい折り返しだと思う。最高の折り返しだと思うので、またこれでカナダ行って気を引き締めてやるので。いいことばっかり書いてもらえるように(笑)。アメリカラウンドは90点だよ。カナダラウンドで100点になるように頑張る」

 アメリカラウンドを総括して中島監督はそう語った。

 そしてカナダラウンドは現在、首位ジャッカルズと0.5ゲーム差、19勝10敗の成績で2位を走る強豪、ケベック・キャピタルズとの3連戦を戦った。しかし1勝2敗に終わり、キャピタルズの自慢のパワーを見せつけられる結果となった。

(記事提供:独立リーグドットコム)

【了】

高田博史●文

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