突然の休部で変わった野球人生 今も受け継ぐ名門野球部の教え
大学時代には広島・野村ともバッテリー組む、「謙虚で控え目で、優秀な選手だった」
また、今シーズンここまでセ・リーグ最多となる12勝を挙げている広島カープの野村祐輔投手とは明治大学時代にバッテリーを組んでいる。
「僕が4年生の時、野村が1年生でした。1年生の時から投げていましたが、バッテリーを組んでいてとても賢い選手だと思いました。バッターを見られずに、投げることに精いっぱいの1年生が多い中で、バッターをしっかり見ていて、首を振ることもできる。けん制、フィールデイングも上手でした。性格も謙虚で控え目で、優秀な選手でした」
中野はそう振り返る。
今後の目標は、都市対抗野球大会への連続出場だ。JFE東日本野球部は、ここまで2年に1回出場していて、まだ連続出場がない。自分がキャプテンを務めているうちに連続出場したいと話す。
「今年の都市対抗野球大会の決勝を見に行きましたが、市を代表して戦い、社員が一丸となって会社を応援する姿をスタンドから見て、社会人野球はすごいと思いました。JFE東日本も、外野席まで埋まっています。その中でプレーできることは本当に幸せだと思います。社内を歩いていても『頑張れよ』と声をかけてくれる社員も多く、野球部は愛され、期待されているのをすごく感じます。高校や大学で、たくさんの人が野球をやっている中で、社会人チームの採用は毎年数人です。その中で野球をできる喜びを、改めて感じています」
惜しまれながら休部になった日産自動車野球部。残念ながら復活への動きはないが、対戦相手も目を見張る日産の野球、タフに最後までやり通す「日産魂」はチームを変えて、今も受け継がれている。
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篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki