逆境越え強くなるDeNA今永 復活白星支えた言葉
グラブに刺繍した「逆境こそ、覚醒のとき」
「逆境」を経て、強くなる――。それが、今永昇太という男なのかもしれない。象徴的なことが、座右の銘に挙げる「逆境こそ、覚醒のとき」という言葉だ。北筑高時代に野球部の恩師から言われたフレーズという。
怪我やスランプなど「逆境」を経験し、それを乗り越えるために努力し、成長することが「覚醒」の原動力となる。そんな意味が込められた言葉を駒大時代からグラブに刺繍し、常に支えにしてきた。
北筑高時代は全国的には無名な存在。高3夏は福岡大会4回戦で敗退し、甲子園はテレビで見るだけだった。駒大に進むと素質が開花し、一気にプロから注目される逸材となったが、進路を決断する上でもっとも大事な4年春に左肩を故障。1年間、リーグ戦では勝ち星を手にすることなく、プロに進まざるを得なかった。
プロに入っても、苦難は続いた。開幕から毎試合好投を続けながら、打線の援護が5試合33イニングでわずか2点と極端に少なかった。それでも腐ることなく、6試合目にプロ初勝利を挙げると、そこから破竹の4連勝。先発投手として自信を深める結果となった。