地域を大切にするNPO法人とプロ野球球団がタッグを組むべき理由
伊丹アスリートクラブの池田智嘉理事は今回の伊丹市民観戦デー実現を終えて、「地域でスポーツビジネスを進めていくためには、仕事としてのスポーツと、教育・ボランティアが担うスポーツの着地点をうまく見つけることが必要です。限られた予算や時間の中でさまざまな要望を調整して、面白く魅力あるスポーツ活動を生み出すこと。今回は球団の柔軟な対応があってこそですが、プロ野球チームと企画に取り組めるなんて最高のプロジェクトです」と語っている。
今回のオリックスとの取り組みは、伊丹アスリートクラブにとっても団体として備えておくべき能力の、いわば性能実験の機会でもあった。その結果、行政を巻き込んだ取り組みがある程度の集客を確保できるということが実証された形となった。
この日大阪に足を運んだ私は試合前に伊丹アスリートクラブのメンバー、伊丹市観光戦略課の方々、そして、この企画を知って参加することになった元伊丹大使であり、元プロ野球選手の尾崎匡哉さんなどと一緒に時を過ごした。今後地域が中心となってどういった企画を生み出していこうかなど色々な話題が飛び交い、これからの新たな動きも予感させるものだった。
今回の伊丹市民観戦デーは、地域を大切にしている団体とタッグを組むことである一定の集客確保と新たなファン開拓につながる可能性があることを示した一つの形になった。こうしたイベントが今後、オリックスだけでなく、他球団に、そして他競技に広がっていくであろう今後の発展にも期待したい。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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新川諒●文