プロ注目・“杜の都”の桃太郎が新記録! 仙台六大学野球で最多安打数更新
向上心と探究心のままにたどり着いた答え「ボールを長く見るんですよ」
森本監督が「うまくなりたい感覚が尋常じゃない」と話すように、続けてきた努力が115本の安打に詰まっている。
「(1年生の頃と)パッと見た感じはわからないと思うけど、自分の中では全然、違う。欲ですね。欲張りなんで。何でも欲しがるんで(笑)。それが裏目に出た時もありますよ。いいのに求めて形を崩すこともありました。いいと思っていても、朝、バットを握った時に急に『あれ?』と悪くなることもある。昨日までできていたバッティングができなくなることもある。でも、前には戻らず、僕は常に新しいもの、新しいものと求めてきました。過去に囚われるとどうしても悩む。新しいものを探している方が自分はハマりやすいです」
向上心と探究心が松本の打撃を支えてきた。完成や限界はなく、大学野球最後のリーグ戦を前にして、この夏場も悩みは多かった。そんな中、今秋のリーグ戦1週間前に行われた楽天の2軍との練習試合を通してつかんだものもあった。
「(打席で)いつでも打てる準備をして、ボールを長く見るんですよ。自分の中では、これが究極ですね。それをすればヒット性の打球はかなりの確率で打てます」
ボールを長く見る感覚は、新記録をマークした打席以降で発揮された。第2打席で右翼線二塁打を放ったのだが、第3打席は1死二塁で四球を選んだ。ボールが3球続き、2ストライクをとられてフルカウントとした後、4球ファウルで粘った末に歩き、得点に結び付けた。第4打席もフルカウントから2球ファウルを打って四球。やはり、味方のタイムリーでホームを踏んだ。
「ギリギリまでボールを引きつけた結果。そういうバッティングができないと、これから先、もっと変化球がいいピッチャーと対戦した時に打てないと思います」