もう1度だけ真剣に…きっかけはテレビで見た甲子園 NPB目指す152キロ右腕

「付きっきりで見てもらっていた」、韓国人投手・洪成溶との出会い

 キャッチボールもトレーニングも、練習という練習を「付きっきりで見てもらっていた」という。手抜きは一切なし。「今までで一番走った。死ぬほど走りましたね。キャッチボールも一番した。ただ投げるだけじゃなくて、体の動きや指の掛かりを確かめながら、丁寧に丁寧に投げ込みました」。気が付いたら、その年のシーズン後半には、速球は145キロに達するまでになっていた。

「洪成溶のおかげが大きいですね。1年目に出会わなければ、あんなに走らなかったし、あんなに丁寧にキャッチボールもやらなかった。もしかしたら、関西を1年で辞めていた可能性もあったと思います。とにかく1年目は、本当に長く感じましたから」

「06 BULLS」で結果が出始めると、今度は四国アイランドリーグかBCリーグでプレーしてみたい気持ちが沸いてきた。「絶対に上に行けるから頑張れ」という洪の言葉が大きい。こうなったら目指せるところまで行ってみようと、2年を過ごした関西独立リーグを離れ、2015年、徳島インディゴソックス入りした。

 徳島に入ると、すぐに結果が出た。4月の初登板では、ソフトバンクの3軍相手に9回16奪三振無失点という好投を披露。時速150キロに達する速球を武器に、2戦目の香川戦も9回無失点で完封勝利を飾った。もちろん、これをプロのスカウトが見捨てておくはずもない。福永の名前はドラフト指名候補の中に上がり、周囲も指名されるものと思っていた。が、昨年10月22日、徳島からは2人ドラフト指名されたが、そこに福永の名前はなかった。

 生来の負けず嫌いが、さらに本気度を上げた。次のシーズンに向けて、何が課題か分析。「単純に体力がなかったです。後半に向けてボール球が増えて崩れていくことが多かった」という結論に達した。冬場には「投げ込み、ランニングを中心に、一から体力作り、基礎作り」に専念した。その結果、「今年は夏場以降、特に後期の安定感は増したと思います」と、きっちり課題をクリアした。

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