【高校秋季東北大会】仙台育英が2回戦突破、オリックス佐藤世那の弟・令央が代打で2点三塁打

「世那は世那でいいところがあるし、自分には気持ちがある」

 今大会は、県大会で主戦を担った左腕・長谷川拓帆(2年)にエースナンバーを譲っているが、「最近、ピッチャーとしての調子は良くないので、出るとすれば代打。準備はしていました。バスで移動中もバットをずっと握っていました」と、この時に備えていた。投手としてのプライドは捨てていないが、今、チームに貢献できるのはバット。「先生(佐々木順一朗監督)がこっちを見る時を逃さないように、目は離さないようにしています」と、いつでもいけることもアピールしていた。

 兄は高校2年の秋に東北大会優勝、明治神宮大会優勝まで駆け上がった。3年の春夏と連続で甲子園にも出場し、夏は決勝まで進んだ。その後は高校日本代表に入り、そして、プロ野球選手になった。

「世那はピッチャーとしての技術があったけど、自分にはない。自分が持っているのは、気持ち。そこは負けないようにと思っています。世那は世那でいいところがあるし、自分には気持ちがある。今日の結果に満足しないで、次もチャンスで打てるように準備をしたいと思います」

 高校2年の秋、公式戦全16試合に先発した兄とは違うが、自分の役割を自覚し、チームの勝利のために懸ける気持ちは同じだ。

【了】

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

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