仲間の言葉に誓った現役続行、ロッテ戦力外34歳が秘める決意「どんな形でも」

「重たい音」が走ったアキレス腱断裂の瞬間

「ブチッという音がした。重たい音だった。太いゴムが切れるような音。気づいたら転がっていました。アキレス腱を見たら、へっこんでいた。それで状況は理解できました」

 今年5月、二軍の試合中に大怪我をした。しかし逆境に負けることなく前向きに闘った。松葉杖での生活となった。しかし、弱音を吐くことはしなかった。

「落ち込んだら負けだと思っていた。必ず元に戻すと強い気持ちを持ち続けた」

 自宅安静の時期はチューブトレを繰り返した。そして足の指のトレーニングや足の可動域を広げる動作に集中した。アキレス腱にいいと聞くコラーゲンなどの食材は積極的に取り入れた。

「チームの試合は見ていましたね。ただ、今までとは違う感覚だった。遠い場所という感じ。一歩下がった感覚で試合を見るしかなかった。それは少し辛かった」

 9月に走れるようになるとギアを上げてのトレーニングを開始した。戦力構想から外れても、すぐに現役続行を決断。打球は鋭い弾道で外野フェンスを越えるようになった。背番号「10」の代名詞だった大きな弧を描く綺麗なアーチはすっかり元に戻っていた。まだ、やれる。確かな自信があった。

「打撃の状態は100%。足も順調です。今は足首の負担を軽くするため、股関節やお尻を使ってしっかりと走る方法にも取り組んでいます」

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