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仲間の言葉に誓った現役続行、ロッテ戦力外34歳が秘める決意「どんな形でも」

試合が終了すると選手たちは一斉にマウンドに走り出した。大松尚逸選手もトレーナー室から飛び出すと、ベンチに向った。ただ、そこより先に歩を進めることは出来なかった。

今オフ構想外も消えない闘志、大松尚逸「どんな形でもいい」

 試合が終了すると選手たちは一斉にマウンドに走り出した。大松尚逸選手もトレーナー室から飛び出すと、ベンチに向った。ただ、そこより先に歩を進めることは出来なかった。2010年11月7日。マリーンズはナゴヤドームでドラゴンズを破り、日本一になった。大松はその初戦で走塁中に右太もも裏を肉離れして、戦線を離脱。松葉杖姿で、仲間たちの抱擁を見守るしかなかった。

 そんな時、チームメートたちが駆け寄ってきた。一人が、しゃがむと「背中に乗って!」とおんぶをしてくれた。背負われながら、仲間たちが待つマウンドに向かった。温かい背中だった。涙がこぼれ落ちそうになった。

 今季限りでマリーンズを退団することになった大松は、その時の光景は今も忘れられない。一番の想い出だ。

「なにか一つ、マリーンズでの思い出をと言われたら、あのシーンが思い浮かびます。みんながボクをマウンドまで連れて行ってくれた。マリーンズっていいチームだなあと感動したし、そんな仲間たちと一緒に野球をやれたのは本当に幸せな日々でした」

 大松は今季、5月に右アキレス腱を断裂。シーズンオフにマリーンズの戦力構想から外れ、退団することになった。08年に24本塁打、91打点。その年から3年連続2桁本塁打を打つなど、左の長距離砲として貢献。その明るいキャラはチームのムードメーカーでもあった。チャンスに強い打撃で「満塁男」とファンに親しまれた。

 試合で活躍をした思い出は尽きない。しかし、一番に挙がった記憶は、試合に出られずに仲間たちが頑張っている姿をトレーナー室で見守り、最後は仲間たちの力を借りて向かった歓喜のマウンド。「ああいうのは忘れられない」と何度もつぶやいた。

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