妻からの電話で届いた吉報 ロッテ指揮官が秘める家族への想い

それぞれの夢へ歩み出した子供たち

「結婚してなかなか子供ができなくてね。たしか、結婚して4年目だったかなあ。知人から、ふと『庭にザクロの木を植えるといいよ』とアドバイスを受けて、木を育て始めたんだよ。そしたら翌年に子供ができた」

 古くから種子が多いことから、豊穣や至宝に恵まれる吉木とされるザクロ。伊東監督は願い、想いながら、植えた。それから間もなくのことだ。結婚5年目で待望の子供を授かった。しかも、男の子と女の子の双子。夫婦で喜び、庭のザクロの木に目をやると、綺麗な紅色の実がなっていた。

「正直、それまでは半信半疑なところはあったけどね。でも、妻が毎日、水をやって想いを込めながら木を大切に育てていた。それが、子供ができたと同時に実がなってね。妻と一緒にビックリしたのは今でもハッキリと覚えているよ」

 そんな子供たちはすっかり大きくなった。2年前にそれぞれ自立し、ひとり暮らしを始めた。娘は中学3年生の時に友人に誘われて馬術に興味を持つと、のめり込んだ。大学卒業後は栃木県内で乗馬クラブのお手伝いをする傍ら、腕を磨く日々を送り、週末には馬術大会などにエントリーをしている。将来は馬術の本場である欧州などで修業をしたいという夢も持っている。

「子供たちは2月生まれ。生まれた時もハワイでのキャンプ中でなかなか顔を見ることができなかった。その後も現役生活、監督、評論家時代とずっとキャンプで誕生日を一緒に祝ってあげることができなかった。申し訳ない気持ちは今でもある。それだけになおさら、2人がスクスクと育って、それぞれがしっかりと目標を持って生きてくれているのは嬉しいのだよ」

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