仰天オーダー&奇抜采配でハム10年ぶり日本一 2016年“栗山マジック”10選
助っ人右腕は“マルチ采配”で力を引き出す
◯レアードの下位起用
昨季チームトップの34本塁打と長打力を発揮したレアードを先発時の打順は5番10試合、6番84試合、7番45試合、8番4試合と主に下位で起用。本来の思い切った打撃を引き出された助っ人は、39本塁打で初の本塁打王に輝いた。
◯高梨裕稔&加藤貴之の先発抜擢
開幕は中継ぎスタートだった高梨を6月8日の広島戦(札幌ドーム)から先発へ。大谷が負傷して先発ローテを外れると、ドラフト2位の加藤を先発へ回した。後半戦は先発の軸と期待した有原航平、吉川光夫(現巨人)が勝ち星を伸ばせなかったが、高梨は10勝3敗、防御率2.38で新人王を獲得。加藤も7勝3敗、防御率3.45と好成績を残した。
◯短期決戦での用兵
10月16日のソフトバンクとのCSファイナル第5戦(札幌ドーム)、第4戦まで13打席連続無安打のベテラン・田中賢介をスタメンから外し、杉谷拳士を「2番・二塁」で起用した。ムードメーカーは3点を追う3回2死二塁で適時打を放ち、反撃の狼煙。さらに、2点を追う4回1死満塁では正捕手の大野奨太に代打・岡大海を送って同点の2点二塁打を演出した。
◯バースの“マルチ起用”
来日1年目の助っ人を先発14試合、救援23試合とチーム状況に応じて起用。レギュラーシーズンでは8勝8敗6ホールド、防御率3.65だったバースだが、広島との日本シリーズではすべて救援でマウンドに送った結果、1人で3勝を挙げて優秀選手賞を獲得した。
2017年シーズンは球団史上初の日本一連覇がかかっている。新たな“栗山マジック”が生まれるか注目だ。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count