“清宮1強”に待った 怪物高校生に元甲子園スター…今秋ドラ1候補はこの12人
指名漏れから雪辱期す社会人、「ヨシノブ2世」の名も
○NTT東日本・西村天裕(投手/右投げ右打ち)
大学時代、悲運に泣いた剛腕に3年越しのチャンスが巡ってきた。帝京大で首都大学リーグ通算25勝を挙げ、大学日本代表でユニバーシアードを制覇。ドラフト上位候補に挙がっていたが、4年秋のドラフト会議前に左ひざ前十字靭帯損傷の大けがを負い、指名漏れを味わった。それでも、NTT東日本に入ると、昨秋の日本選手権で150キロ超の直球を連発して復調をアピール。176センチと長身ではないが、最速154キロと馬力があり、今年1年シーズンを通して活躍できれば、12人に入る資格は十分ある。
○JX-ENEOS・谷田成吾(外野手/右投げ左打ち)
「ヨシノブ2世」と呼ばれたスラッガーも指名漏れから雪辱を狙う。慶応高で76発を放ち、慶大では東京六大学リーグで15発をマーク。高校、大学で世代別の日本代表を経験し、大学4年秋は「上位指名間違いなし」と言われたが、まさかの指名漏れ。左打ちや外野手という点がネックとなった側面もあるが、社会人に進んだ今もボールを飛ばす能力の評価は依然高い。今年、有力野手は高校生に集中しており、「2年前と各球団、状況は違う。即戦力の大砲が欲しいなら1位指名でも不思議はない」という評価だ。
上記の通り、高校生4人(投1、捕1、内2)、大学生3人(投3)、社会人5人(投4、外1)と現時点での12人を敢えて絞ったが、もちろん今後の成長次第で勢力図が変わることは十分に考えられる。
そんな2017年のドラフト戦線について、あるパ・リーグスカウトは「もともと不作ではないかと言われていたけど、そんなことはない。高校生の野手におもしろい選手がそろっている。話題性でいえば、清宮と安田に注目が集まるだろうが、社会人も指名解禁となる大卒2年目、高卒3年目の選手が卒業からそれぞれ順調に成長していて、即戦力の投手が豊作。逆に大学生は例年より1位候補は少ない」と分析している。
清宮は何球団競合するのか。それとも、分散するのか。はたまた、この1年で急成長を遂げる選手が現れ、1位指名をつかむことがあるのか。どんな1年になるにせよ、プロ野球ファンがひいきの球団への入団を心待ちにしたくなるような、金の卵たちの奮闘を見たい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count