日米で学んだ経験を地方大学に還元 静岡から全国目指す指導者の挑戦
技術的な指導よりも「考える」習慣を重視
練習中は、技術的なことはあまり指導しない。それ以前に大事にしているのは「考える」習慣。言われたことはしっかりこなすが、自分自身で「考える」ということが苦手な学生が多いという。まずは自分で「考える」ことでの意識改革に取り組んだ。
その結果、チームとして結果も残しはじめ、上のカテゴリーでプレーする選手も出てきた。
社会人・西濃運輸で活躍するプロ注目の横手投げ右腕、岡田圭市。15年ドラフトでは惜しくも指名されずに社会人入りしたが、今後に大きな期待を持たせる。
「変則だけど球速も出る。以前、亜細亜大でうけていた高津臣吾さん(現スワローズ投手コーチ※1)のような抜く球にも取り組んだ。本当に良い投手です」
そう永井監督も高く評価する。
地方大学が首都圏などのチームと対等に戦えないとは決して考えていない。実際、ここ数年、地方大学が大学選手権や神宮大会で結果を残している。
「東亜大(山口)は、神宮大会で3回(94、03、04)優勝している。八戸大(青森)もプロ選手を何人も出している。個人1人1人を比べると、やはり強豪大学のレベルは高い。でも、野球はチームプレーだから勝つ方法はあると思う」
チームがさらなるステップアップを果たす。そのためには、真の強豪校を体感することも重要。そういった意味でも、全国大会への出場は最重要課題だ。
「神宮へ行きたい。静岡も東海地区も強いチームが多い。プロ入りする選手もいる。そういったチームを打ち破るために何ができるかを考えていきたい」
「大学、社会人、そしてメジャーリーグも見た。自分がやったり、見てきた厳しい世界の野球をやりたい。だけど、一気に変えることは難しい。でも、良いチームにするために勇気を持ってやりたい」