日米で学んだ経験を地方大学に還元 静岡から全国目指す指導者の挑戦
肝に銘じる恩師の言葉「まず人を知りなさい」
普段は大学職員、そして監督。連日の激務をこなす。だが、情熱、志の高さは衰えることがない。常に頭に入れている恩師の言葉がある。
「トップに立つ時には、まず人を知りなさい。人を知ることが、チームの監督になることで必要になっていく」
メッツ時代にお世話になったボビー・バレンタイン監督(当時)から教えられた。
「なんで手を抜いて投げるんだ。お前ごときが手を抜いて抑えられる相手じゃないよ」
就任直後の練習試合中、グラウンドに響き渡る声で怒鳴った。数年が経ち、怒鳴ることも少なくなったという。永井監督自身も日々、監督として成長している。そして、もちろんチームも。会話を交わし、人を知って、可能性を伸ばし強くする。常葉大を神宮で見られる日も遠い先の話ではないのではなかろうか。
◇永井浩二
71年広島県出身。広島商業、亜細亜大、NKK福山(現JFE西日本)と進み、98年渡米しニューヨーク・メッツ入団。ブルペン捕手兼バッティング投手を2年間務める。帰国後クラブチーム、浜松Kスポーツ・ベースボールクラブでプレー。06年12月から浜松大(現常葉大浜松)監督就任。
※1 高津臣吾
シンカーを武器にスワローズで286セーブを挙げた横手投げの名クローザー。メジャーでもプレーした。
【了】
山岡則夫●文 text by Norio Yamaoka
1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、製作するほか、多くの雑誌やホームページに寄稿している。最新刊は「岩隈久志のピッチングバイブル」、「躍進する広島カープを支える選手たち」(株式会社舵社)。 Ballpark Time!オフィシャルページにて取材日記を定期的に更新中。