ロッテ「広報カメラ」仕掛け人が語る情報発信の未来「24時間ずっと考えている」

動画を見る最良のタイミングとは…「すごく楽しいと聞きました」

 試合前、試合後の映像はその日のうちにアップするのが基本。ファンの反応を見ていると、「広報カメラ」によっていいサイクルが生まれているのではと梶原氏は考察している。

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千葉ロッテマリーンズ球団広報・梶原紀章氏【写真:武山智史】

「昨シーズンが終わってふと思ったんです。球場で試合を見ていたお客さんは、また動画で見返すのは嬉しいんですよ。家に帰る途中や帰ってから動画で違う角度から見て、『選手同士でこんな会話をしていたり、こんな表情をしていたんだ』と気付く。まるで選手と一緒に試合をしている感覚になるんですよね。逆にテレビで試合を見た後に動画を見ても、感動は薄くなってしまう。ライブで見た後に動画を見ると、すごく楽しいと聞きました。そうすることで『また球場で見たい、そして勝ってYouTubeでまた見たい』といい循環が生まれるでしょう」

 また、昨年はドラフト1位で入団してきた平沢大河選手に密着して撮ってきた。年明けに行った地元・宮城での自主トレ、春季キャンプインの朝、プロ入り初スタメン、シーズンオフには宮城帰省にも同行している。

「私が好きなのは母校・仙台育英での自主トレですね。マスコミ公開用として腕だけで縄を登るシーンがありました。この光景を見てファンは『コイツ、凄い選手だろうな』とワクワク感を持ったと思います。大河の場合は『広報カメラ』が導入されてから入団してきた選手。なるべく長いスパンで撮影して、もしかしたら引退した時に総集編として映像を出せるかもしれません。今後も追いかけていきたいです」

 プロ野球の球団広報はメディア対応など、基本的に「受ける」仕事が多い。しかし近年はSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の発達もあり、球団自らが情報発信するケースが増えている。梶原氏自身はスポーツ紙記者という前職を生かし、千葉日報で「千葉魂」を連載するなどメディアを通して選手たちの素顔を伝えてきた。球団広報の立場として、近年の傾向をどう考えているのだろうか。

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