父直伝の“かまぼこ板トレ”!? 西武大石が剛速球復活へ行った珍練習とは
黙々と投げ続けた「かまぼこ板」、「変な回転だとすぐ落ちてしまう」
「ちゃんとしたきれいな回転じゃないと、(板が)まっすぐいかないんです。変な回転だとすぐ落ちてしまいます。かまぼこを食べて、板を洗って、1人で投げては拾ってを繰り返していました」
この珍しいトレーニング方法は、社会人野球の九州産交(1988年休部)で投手として活躍した父に、子どもの頃に勧められたものだという。「中学生くらいの時に、親父に『やってみろ』って言われたんです。久しぶりに、ふと『やってみようかな』って、思いました」。プロ野球選手を目指していた子どものころの練習方法。原点に立ち返ろうという思いもあったのか、プロ7年目のシーズンを前に、再び「かまぼこ板」を一人で黙々と投げ続けたという。
近年は右肩痛に苦しみ、思うような投球ができないシーズンが続いたが、昨季ようやく肩への不安を解消できた。「今シーズン活躍できて、やっと『プロ野球選手』らしくなれると思います。今までは、全然投げてないですから」。右腕は昨季の成績によって少なからず手応えを得た様子だ。
元チームメイトから受けた刺激と、父から教わった懐かしい練習法。復活への兆しを見せ始めた28歳がオフの経験を経て、今季どのような飛躍を遂げるのか。大石自身が思い描く「プロ野球選手」らしい輝きを見せてくれる日が、待ち遠しい。
【了】
篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki