“今年最もNPBに近い男” プロ注目の17歳右腕が独立リーグを選んだワケ

中学時代には楽天ドラ1右腕に勝利…「同じ舞台で戦いたい」

 昨秋のトライアウトで見事合格し、昨年、福永春吾(阪神6位)と木下雄介(中日育成1位)がNPBに指名された徳島入りにドラフト1位で入団を決断。中学時代にはシニアチームで同い年の藤平尚真(現楽天)と投げ合い、勝ったこともある。

「身近なところからドラフト1位で(NPBに)行っていることは刺激になるし、負けたくない。高校時代、自分は接戦で逆転される試合もあった。最後の我慢。勝ち切れる投手になって同じ舞台で戦いたい」

 175センチ、73キロと細身ながら、150キロに迫る速球は無限の伸びしろを秘めていることの裏返しでもある。初の一人暮らし。洗濯など家事も自らこなさなければならない。「料理はちょっとずつ練習している。ゆで卵は上手にできるようになったんです」と笑う表情には17歳らしいあどけなさが残るが、夢を語る表情は真剣そのものだ。

「独立リーグはNPBのスカウトの方が球場に足を運んで、アピールする場を与えてくれるというのが一番のメリットだと思う。自分で決めたことなので、プロを目指して頑張りたい。まずは今年中に150キロ以上を出すこと」

 今年はMLB通算555発のマニー・ラミレスが高知に加入し、大きな話題を集めている。もちろん、対戦するチャンスもあり、絶好のアピールの舞台となるだろう。大学でも社会人でもなく選んだ「独立リーグ挑戦」の決断が、正しかったということを証明するために――。四国の地で、夢を乗せた挑戦が始まる。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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