オリ田口壮2軍監督が持論「チャンスは3年で9回」 這い上がる選手の傾向とは

最近2年のドラフトで合計26人を指名、オリックスの目指す方向は…

 現在、パ・リーグ2強とも言われるのが日本ハムとソフトバンク。田口氏は、日本ハムは「組織として選手の育成がしっかりしているチーム」であり、ソフトバンクは「競争の原理を働かせるチーム」と分析している。それぞれにやり方がある中で「オリックスはどれで行くんですかっていうところが出てこないといけない」と語る。

「去年(2016年)のドラフトとか、一昨年(2015年)のドラフトで人数を取っている。合計で26人です。そう考えると、組織として育成をしていこうという形ですよね。同時に“即戦力”って言われて入ってくる選手には、期待通りに活躍してほしいと思います。1軍は勝たなければいけないから、育てていくだけではキツくなりますし」

 2015年ドラフト1位の吉田正尚外野手は、昨季プロ1年目ながら存在感を見せつけた。選手は個々で才能や成長の速度が違うが、巡ってきたチャンスを生かすことができるか否かは「本人が持つ運と勝負強さ」だという。

「調子が上がってきた時にチャンスをもらえるかどうかは、その子が持っているものだと思うんです。絶好調でも1軍に枠が空いていないことはよくある。絶不調でも1軍に怪我人が出て上がらないといけないこともある。そこは本人の運ですよ。

 だから、常に選手に言っているのは、どんなに調子がよくても、どんなに調子が悪くても、上に呼ばれたら結果を残せるものをもっておけ、そのイメージだけは持っておけ、ということです。結局チャンスはいつ来るか分からない。いつでもパフォーマンスが出せるように心の準備はしておけよって言ってます」

 田口氏は選手に「基本的に3年間で9回くらいしかチャンスはない。その9回を逃したらプロではやっていけない」と伝えているという。2002年、カージナルスへ移籍した田口氏は傘下マイナーからスタート。自ら少ないチャンスをつかんでメジャーに定着した経験を持つ。それだけに、その言葉には重みがあると思うが……。

「今の選手は僕のメジャー時代なんて、もう知りませんよ(笑)。だから、言っても響かないと思います。僕も理解しろとは思ってないです。ただ頭の片隅に置いてもらって、自分が経験した時に『あれ、監督こんなこと言ってたな』って思い出した時、初めてその言葉が入ってくるんですよね。忘れててもいいんです。経験した時に思い出してくれれば。『チャンスは死に物狂いで行かへんと掴まれへんぞ』って言ってたわって」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY